今回、染めなおしでお預かりしたのは、エニシカの国産ジビエ鹿革・オニシカの雪曇(ゆきぐもり)。
もともとの使用感、照明でかなり陰影が出ているのもありますが、飼われているペットに噛まれてしまったとのことで、かなりのダメージを負ってしまいました。

動物の唾液にはたんぱく質を分解する酵素が含まれているので、おそらくその影響でダメージ部分は固くなってしまっていました。うまくメンテナンスが仕上がるか、正直未知数なところが多かったですが、全体的にしっかり染めなおすことになりました。

染めなおしの仕上がり

今回はやや濃いめの色にしてむらを目立ちにくくしているためか、カーキグレーというようなお色に仕上がってきました。ダメージがかなり大きかったので、さすがに跡が全部見えなくなる、という仕上がりではありませんが、変色がかなり目立たなくなり、全体的に均一な色味になってシワも伸びたので、まだまだ持てそうな仕上がりになりました。あまり気にならないくらいですが、やや収縮はしています。

染めはENISICAオリジナルの鹿革を染めている業者さんにお願いしているのでオリジナルの染料なのですが、雪曇は発色が難しく、通常の生産でもロット差がありますが、これはこれで落ち着いた雰囲気のバッグに生まれ変わったのではないでしょうか。

撥水加工について

クリーニング時の洗いで撥水加工はいったん取れてしまいますが、染めなおす時にしっかりと漬け込む方法でふたたび撥水加工しますのでご安心ください。

メンテナンスを終えて

今回は動物に噛まれるという想定外のシチュエーションで、しかもハイダメージのため難しい案件でした。勇気はいりますが、広範囲を動物に噛まれたら、革の変質を防ぐために早めに洗う方がいいかもしれませんね。裏地のついていない製品は手早く洗いやすいです。