鹿革は独特の風合いと柔らかさが魅力の天然素材です。
ENISICA製品はしっかりした撥水加工をしているので、普段のお手入れは軽いブラッシングや硬く絞った濡れタオルで拭くだけでOK!それでも、長年お使いいただいているうちにしっかりメンテナンスをしたくなる時がやってきます。
今回は、工房で行ったジビエ鹿革製のハンシカサコッシュの洗濯と外注の染め直しの様子をご紹介し、さらにお客様にも参考になるような簡単な洗濯のコツをお届けします。

※このブログに記載する方法はENISICA製品に対応しています。水にぬらすなど、通常の皮革のお手入れではできないことが多いため、その旨ご了解ください。

紅杉のハンシカサコッシュ

長年お使いいただきありがとうございます!新品と色を比べてみました。かなりエイジングが進んでいますが、細部を拝見するとていねいにお取り扱いいただいたのがわかります。

用意するもの

・洗い桶またはバケツなど
・おしゃれ着用洗剤
・やわらかい洗顔用ブラシ(百円均一などで買えます)
・水(35度くらいまで。温度が上がると色落ちしやすくなります)

準備

ポケットの中のほこり・くずなどはできるだけ取り除く
裏地のあるものは引き出しておく
【ひとことアドバイス】
水洗いは多少の色落ちがございます。表地・裏地があるものは色移りを防ぐために別々に洗います。

表地だけを洗う

1. 水におしゃれ着用洗剤を入れて泡立てる
2. 革の表地だけに泡をのせ、汚れている部分を中心にフェイスブラシでくるくると手早くこする
3. 色移りを防ぐため、できるだけ裏地をぬらさないように注意する
【ひとことアドバイス】
表地・裏地を別々に洗うという時点で、完全にぬらさないというのも無理な話です。丁寧になりすぎて遅いよりは、手早いほうが大切!表地・裏地の洗濯、ゆすぎ、脱水まではノンストップで行ってください。

ゆすぎ

4. 新しい水でゆすぐ。この時もできるだけ表地だけをぬらすように。
5. 手で軽く絞る。このゆすぎ、絞りを2回ほどくりかえす。
6. ゆすいだ水がピンク色になっています。ある程度の色落ちはしますので、ご了承ください。

裏地だけを洗う

6. 新しく洗剤液を作って泡立てます。
7. 裏地も表地と同じやり方で、裏地だけを洗う、ゆすぐ、絞るところまで行ってください。

脱水、平干し

8. 裏地はひきだしたまま形を整え、古タオル、紙などで押し絞りします。
9. ふたたび形を整え、日陰で平干しします。ネットでない場合はときどき裏返しながら乾燥させてください。
10. 乾くと黄ばみがとれて、これだけでも紅杉のピンクが戻ってきていました(写真が悪くてすみません…)。

染め直し

今回は染め直しを行いました。
やや濃いめにして色むらを目立ちにくくしていますが、ENISICAオリジナルの鹿革を染めている業者さんにお願いしているので、ちゃんとオリジナルの雰囲気で染め上がります!今回はショルダーベルトの修理もありましたので一緒にお届けしました。