はじめに

私たちENISICAが使っている国産ジビエ鹿革は、ただ鹿革を仕入れているのではなく、なめしや染色からこだわって作り上げたオリジナル素材です。

中でも大切にしているのが「色」。鹿革ならではのやわらかな風合いを活かしながら、美しい発色を実現するために、ENISICAでは「合成タンニンなめし」を採用しています。
革好きの方には植物タンニンなめしの革が馴染み深いかもしれませんが、私たちが目指すENISICAの革づくりには別の選択肢がありました。
今回は、革の性質を決める「鞣し(なめし)」とは何か、そしてENISICAの鹿革づくりに込めた考えをご紹介します。また先日、たつの市のタンナーさんを訪問したときの画像をあわせて掲載しますので合わせてご覧ください!
鞣し(なめし)とは

私たちが普段使っている革製品は、「鞣し(なめし)」という加工を経て作られています。
動物の皮は、解体された直後の状態では「生皮(なまかわ・きがわ)」と呼ばれます。生皮はそのままでは腐敗したり、乾燥して硬くなったりしてしまい、革製品の材料として使うことはできません。
そこで行われるのがなめしです。

鞣しには植物由来のタンニン(樹皮などから抽出)を使う方法や合成タンニン(合成鞣剤)、また量産品で圧倒的に多い三価クロムをつかうクロムなめしなどさまざまな種類がありますが、いずれも皮の主成分であるコラーゲン線維を安定化させるための工程です。
この工程を経ることで、「皮」は「革」へと生まれ変わります。やわらかさが保たれ、耐久性が向上するほか、水や熱の影響も受けにくくなり、長く使える素材になります。
合成タンニンなめし

革はもともと無色
私たちが合成タンニンなめしを採用しているのは、まず繊細な色の表現に向いているからです。合成タンニンなめしは白い革を作ることができるため、染色による自由な発色が可能です。紫外線で変色しにくいことも利点です。
なんとなく真っ白というと、漂白しているような印象があるかもしれませんが、じつは革というのはもともと半透明な素材で色はついていません。色がつかない合成タンニン剤をつかうと、このような白い色に仕上がります。

ハンドメイドの革製品といえばこれ、というくらい革が好きな方はおなじみの革。ベジタブルレザーとも呼ばれます。革製品の歴史=植物タンニンなめしの歴史といってもいいくらい、古くからある技法です。
樹皮などから抽出した植物タンニンでなめすと、淡いベージュ(いわゆるヌメ革色)がつき、経年変化で飴色に変色します。メンテナンスをしながら手をかけて育てる楽しみのある革です。
代表的な革はイタリアンレザー。牛革製でオイルがしみこませてあり、さまざまな色に染められますが、ベースがヌメ革色なので、特に淡い色の発色には限界があります。
合成タンニンなめしってエイジングするの?
飴色にはなりにくい

合成タンニンなめしの革は、植物タンニンのような飴色の経年変化はしにくい革です。
・合成なめし剤自体に耐光性がある
・白い革がベースになっている
ただし、アイテムによっては手で触ったり、起毛革ならではのアタリが出ることもあり、つやが出て色が深くなることも。特に小物はその傾向が強いです。
ENISICAならではのエイジング

右はファーストモデルをノーメンテナンスで2年使い込んだもの。
ENISICA製品はコーティングではなく、染料を使った染色製品なので、経年でだんだん淡く退色していくのが基本。ただし表面の銀面を削って起毛させるヌバック加工をしているので、手の脂やアタリなどで自然な色の変化が楽しめます(ミニ財布の画像参照)。
もちろん、本革ならではのなじみ感もありますので、本革らしい経年変化を楽しむことができます。
メンテナンス
普段のお手入れとしてはブラッシング程度で、オイルによるメンテナンスも必要がありません。
起毛感を長く保ちたい場合は、時折ブラッシングを続けてください。お財布やキーホルダーなど、アタリのでやすいものは、画像のようにノーメンテナンスも面白いです。
洗濯をすることで、デニムの色落ちに近いような独自の楽しみ方も可能です(洗濯後は革用の撥水スプレーをおすすめします)。





あらためてENISICAオリジナルの国産ジビエ鹿革とは?
- 触れるたび心がほぐれるような、しなやかな手触り
- デイリーユースでも安心、一枚革の段階でしっかり施した撥水加工
- 駆除対象になっている日本の野生鹿の生息地をイメージした6色





今後も、よりよい製品がお届けできるよう、素材から工夫を重ねていきたいと考えています。
